血液はどのように固まるの?
血液はどのように固まるの?

血液は、動脈、静脈、毛細血管を通って体の隅々まで運ばれます。
手の甲を見ると、そこには青みがかった静脈が流れているのが見えます。
心臓はこれらの血管を通して体中の全ての細胞へ、血液をポンプのように送り出します。
血液は細胞に養分と酸素を運び、老廃物を取り去る役目を持っています。

血管が切られたり、引き裂かれてしまうと出血となります。
出血には皮膚の外に血が流れ出す外出血と、体内の内出血があります。
皮膚の血管が破れた場合、皮膚の表面へ血液が流れ出しが作られます。

血液を顕微鏡で見ると、実際にはいくつかの構成要素から成り立っていることが分かります。
血漿は黄色みがかった血液の液状成分。
赤血球は体中の細胞に、養分と酸素を運びます。
白血球は血液循環器系内のウィルスと細菌を攻撃します。
血小板は血を固める働きをします。

血管が切れると、ふつう三つの事が起こります。
まずはじめに、血管が縮まり傷口を小さくし、流れ出る血液を減らします。
次に、血小板が集まりだし、血管の切れた部分に沿って付着してフタをします。
最後に、体内で作り出される細い綿状の繊維素(フィブリンと呼ぶ)が血小板のフタを編み込むようにして、頑丈なネットを形成します。
このネットが形成されると、出血が止まります。その後、血管上の穴を修復するための新しい細胞が成長を始めます。

1.血管が縮まり・・・2.血小板が集まってきて穴をふさぎ・・・
3.フィブリン・ネットが血小板のフタに封をする。

フィブリン・ネットはどのようにして作られるのでしょうか?
血漿には少なくとも14種類のタンパク質が含まれており、血液を固めるのに必要であることから凝血因子と呼ばれています。
これらのタンパク質には第一因子、第二因子・・・と数字が付けられており、それぞれの働きに特徴があります。
タンパク質はそれぞれチームを組んで働き、決まった順番で次に仕事を引き継ぎます。
これはリレーに似ています。一つの因子が他の因子に次々と命令を引き継いでいき、最後の因子である第八因子にはフィブリン・ネットを作る命令が渡されます。

血小板を繋ぎ止めているフィブリン・ネットは外面的にはかさぶたとして見えます。
かさぶたの下では新しい皮膚が成長をはじめ、傷を治していきます。
かさぶたは一週間程ではがれ落ちれ、その下から新しい皮膚が顔を出します。

CG作成:阿部晋樹

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