血友病は治るか?
現在、残念ながら血友病を治すことはできません。
しかし、科学者は常に血友病の治療方法を見つけ出そうとしています。
彼らは答えは遺伝子治療にあると考えています。
科学的な血を固めるための「命令」は、カラダの細胞の中の遺伝子として見つけられています。
血友病患者はその命令がゴチャゴチャになっており、誰もその命令を正しく読めません。
そのため、体内で正しく働く十分な量の凝固因子が生成されないのです。
考えてみてください。料理を作るレシピが、日本語で書かれているものが、途中でロシア語になったり、スペイン語になったり・・・。
あなたは決して正しく料理を作ることができないでしょう。何故なら命令が不明確だからです。
血友病を治すのに、科学者は不正な遺伝子を修復するか、取り替えてしまうことを考えています。
これは、因子を作る正しい命令を持つ遺伝子を血友病患者の細胞に埋め込むことを意味します。
先ほどのレシピの例でいえば、色々な言語で書かれてゴチャゴチャになっているレシピを、日本語のみで書かれたレシピに差し替えるということです。
あなたは、もうレシピを正しく読むことができ、そして美味しい・・・かどうかは別ですが、少なくとも料理を完成させることができるでしょう。
これと同じように、科学者は新しい遺伝子が、正しい命令を体内に与えて、多くの因子を生成すると考えています。
科学者たちは、今も血友病治療にどのように遺伝子治療を行えばよいかを研究しています。
ノース・カロライナ大学の科学者たちは、血友病の犬を約一ヶ月間治癒させることに成功しました。
これはとても大きなブレイクスルーであり、科学者たちは次のステップとして、同じ効果が人間にもあるかどうかの治験を行いました。
ところが、新たに患者に注入した遺伝子が他の病気を誘発させてしまうなど、多くの問題が発生してしまい、現在のところ遺伝子治療は壁に突き当たっています。
他の研究としては、凝固因子の働きを長時間持続させる試みがあります。
これは今の製剤をベースに改造が行われるため、遺伝子治療に比べ早期に実現可能だと考えられています。
現在、血友病Aの製剤は2日位しか効果がありませんが、新しい手法によりこれを1週間、1カ月と効果が持続することが期待されています。
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