Kelley Communications
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Kelley Communications
Kelley Communications は医学界と血友病に関わるビジネス界、そして血友病の子を持つ親との間の橋渡しを主な活動としています。
また、血友病の子供の教育方法、支援なども行っており、特に、患者、家族向けの出版物が充実しており、それが全て無料で供給されます。私もすぐにオーダーしました。
また、これを何とか日本語化できないものかと、試行錯誤しておりましたが、2001年にノボ ノルディスク ファーマ株式会社のマーケティング本部 情報企画グループから、何冊かをピックアップして日本語化しホームページにて公開するとの連絡を頂きました。
Kelley Communicationsとは
Kelley Communications は、血友病患者を持つ家族に必要な擁護と教育の手助けを行うために、血友病の子を持つ母親、Laureen A. Kelley (ローリン・ケリー)によって 1990 年に設立されました。
ケリーは、毎日生活していく上での実用的な多くの情報の必要性を感じ、多くの親が直接コンタクトし、経験やアドバイスを共有することで得られる恩恵について「Raising a Child with Hemophilia (血友病の子を育てる)」という本を著しました。 ケリーはそれ以来、医学界、ビジネス界、そして血友病の家族間で情報を持ち寄り、これを共有できるよう促進し続けました。そしてこの努力は "Parent Exchange Newsletter" として結実し、年4回の創刊が始まりました。 Kelley Communications は血友病の子を持つ家族と、これらの家族にサービスを提供する会社に情報を提供しており、"Parent Exchange Newsletter" により、国内や国際的な血友病団体といった、多種多様なグループ間での活発的な情報のやりとりとサポートを促進するために、公平なフォーラムを提供しようと試みています。
出版されている本
以下に挙げる本は全て無料で提供されています。
親や医者のための本
Raising a Child with Hemophilia: A Practical Guide for Parents.
Kelley, Laureen A.著 第3版, 1999. 398 ページ. 英語、スペイン語、フランス語(無料) 血友病の子を持つ親、150 人の実体験を基にし、血友病に対する実用的な情報をユニークに織り込んだ包括的な本。 話題としては、子供の生活に関する最初の5年間の濃密な論議、緊急治療室、知識に基づく消費者になる、因子の獲得、自尊心、学校、ストレスの多い状況などを含んでいる。
緊急治療室や医者のオフィスへ持って行くには情報不足だが(ジョーク?)、血友病のあらゆる領域における実践的な情報が記載されている。
"My Blood Doesn't Have Muscles!" How Children Understand Hemophilia: From Preschool to Adolescence.
Kelley, Laureen A.著, 1993. 152 ページ (無料)
あなたの子供は血友病について何を心に抱くか?
内容的には、異なる年齢の子供達が血友病をどのように捉えているのか、遺伝についての説明、出血したときに何が起こるのか等が記載されている。
Don't Be Victimized By Hemophilia
Kelley, Laureen A.著, 1994. 23 ページ 英語、スペイン語、ロシア語(無料)
血友病の診断に直面して、親としての感情の抑制を失い、自信を失ったと感じるのはよくある事である。
この小冊子は主に、最近血友病と診断された子供を持つ家族をターゲットとしており、あなたの生活管理をあなた自身の手に戻すために、目標の設定方法と血友病への理解を変える方法を提示する。
子供のための本
Must You Always Be a Boy ?
3-8歳向け, 1991年 カラフルなイラストを用いた、Dr. Seuss の手による4つの物語。
出血に対する大人の反応に対する探求、過保護な両親、兄弟姉妹の競争、教室でのいじめを扱っている。
Alexis: The Prince Who Had Hemophilia
8歳以上, 1992年 1900年代初頭、帝政ロシア帝国最後の王であるニコラス2世の小さい頃描いた実話。
アレクシスの血友病が、最終的にロシアに革命をもたらした出来事の成り行きに、どのような影響を与えたかを詳しく語っている。
Hemophilia: It's Logical!
8歳以上, 1995年 血友病の若い考える人たちのための、29個の迷路、クイズ、ワードパズルを載せた本。
パズルは進むにつれ少しずつ難しくなり、血友病に関係する言葉や概念、活動を紹介していく。
What is Hemophilia? Series / 血友病とは?シリーズ
3-16歳, 1995年 幼児期、学童期、思春期と、それぞれ3レベルに応じた適切な言葉と概念を用いて、血友病を子供に説明するシリーズを編集。 各々の本は教育的、認識的に異なる手法で同じ話題を扱うようデザインされている。 また、親が各々のレベルでの目標を理解するのを助け、個々の年齢の子供がどのように血友病を理解するかの指針となる「親へのメモ」も含まれている。
Level 1: Joshua, Knight of the Red Snake
ジョシュアは血友病の幼児。忍者ごっこ、カウボーイごっこ、サファリ・ハンターごっこが大好き。
ある日、遊んでいるうちに彼は騎士となりドラゴンに傷つけられてしまった。
全編イラスト付きで、本を読み始めた子供のために大きな文字を用い、血友病への安心感を子供に与える自信と喜びの文書でこの本は終わる。
Level 2: They'll Probably Ask You "What is Hemophilia?"
4年生のトニーは新しい先生とクラスに血友病について説明しなければならない。
実際に教室の活動を参考にし、オランダ人の少年、実験用の犬など多くのキャラクターとユーモアが満載。
Level 3: Tell Them The Facts!
特に思春期直前の子供、思春期の子供のためにデザインされた、血友病に関するQ&A形式の本。
血友病とは何か、どのように血液が凝固するのか、血友病患者は何故出血し続けるのか、出血すると体内で何が起きるのか、どのように凝固因子が働くのか、運動の重要性、どのようにして血友病になるのか等が書かれている。
子供たちのためにデザインされたこの本は、新たに血友病と診断された子供の親や、教師に対しても同じく秀逸な本である。 用語解説を含む。
日本語版が欲しい・・・
と、色々な本を紹介しましたが、是非とも日本語版が欲しいですね。
"Raising a Child with Hemophilia" この様な本があるアメリカが羨ましい。日本にもないですかネ? しかし、この Kelley Communications も元を辿れば、血友病の子を持つ母親の努力によって実現できたもの。 他力本願だけではなく、同じ立場の自分にも何か出来ないかと考えさせられます。
とりあえず何冊か注文したので、多分一生懸命日本語に翻訳して子供、妻に読ませる事になるのだと思います。 注:このページを作成したのは1999年。その当時には無かったのですが、今では日本でも同様の多くの冊子が出ています。
Kelley Communicationsとのメールのやりとり
ってなわけで、Kelley Communications にコンタクトを取って、駄目もとで色々やってみようかと思っています(ほんとに出来るんかいな?)。 1999.2.13で、メールの第一弾がこれ。 (1999.2.13)
まぁ、内容的には、もっと日本に広めいた。
日本語化の予定はないのか?翻訳して再配布できないのか?という感じです。 これがどう推移していくか、逐一ここでレポートしていきたく思います。 早速 Kelley Communications 、それも Kelley Laureen から直接返事が来ました。 E-Mail という都合上、プライバシーが絡むため全てはお見せできませんが一部分を載せます。
Kelley からの返事の一部抜粋。 (1999.2.15)
極めて好感色です!(色々やってみるもんだ) 感謝感激です。早速返事を書きます。 その後の状況ですが、Laurie は現在多忙を極めているらしく(先日ロシアから帰ってきたばかり。来月はパキスタンに行くらしい。)、本格的に動けるのはそれ以降とのこと。 企業はCenteon 社に協力を求める方針で進めるとのこと。こちらからもお願いのメールを書くつもりです。 もう少し待ってくれと何度か言われ、ただひたすらその可否を待っていたのですが、8ヶ月後、ついに Kelley から本格的に動き出す旨メールをもらいました。 また、翻訳する本を Raising a Child with Hemophilia に決定しました。
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
その後、うまくいきそうな気配もあったのですが紆余曲折があり、私が多忙だったこともあり一時この件について断念していました。 その後、Kelley Communicationsとの交渉が始まりましたが、版権、ロゴ等にからんで一時暗礁に乗り上げそうなこともありました。しかしノボ社殿の粘り強い交渉の結果、"Raising a Child with Hemophilia"等の翻訳とホームページでの公開の許可がでました。 2002年6月、無事ホームページに掲載される運びとなりました。この件につきましてはノボ社殿には大変感謝しております。 |
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