タイトル: とある文献を読んでの感想
投稿者 : 西村聡文
URL : 未登録
登録時間:2020年9月6日18時55分
本文:
アディノベイトの長期使用の安全性と有用性を検証した文献を読みました。
Long‐term safety and efficacy results from the phase 3b, open‐label,
multicentre Continuation study of rurioctocog alfa pegol for
prophylaxis in previously treated patients with severe haemophilia A
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/hae.14052
めちゃ要約すると、アディノベイトを216人に長期使用してもよく効いて、副
作用もほとんどなかった、ということなのです。
その中で私が気になった点は、治療方法をいくつかの患者群に分けているなか
に、 FVIII trough levels 3% and peak levels 200%、と、ピークを200%まで
許容している所です。
ピークがどれくらいまでが安全なのかは、私の知る限りでは定説はないのです
が、貴重な実験結果だと思います(実際どれくらいの人数が200%近くまで上げ
ているのか不明なのですが、、、)。
それともう一点、死亡が一人。
15歳の患者が脳内出血で死亡しているが、週2回投与群で、最後の予防投与3日
後に脳内出血していることから、アディノベイトの副作用では無いと判定され
ている。
うーん、確かに、副作用では無いとの判定に意義はありませんけど、けど、脳
内出血を防げなかったということで、週2回投与のプロトコルそのものの効果
が否定されているのではないでしょうか。
以上、西村的文献の読み方でした。
|
|