-先天性13因子欠乏症とは・・・-圭一(2/9-23:32)No.2091 ┗Re:先天性13因子欠乏症とは・・・-高田 昇(3/23-03:08)No.2143
2091 | 先天性13因子欠乏症とは・・・ | 圭一 E-mail | 2005/2/9 23:32 |
疑問点があるため投稿しました。 私の母は先天性13因子欠乏症で私の姉とその息子・・私の弟も先天性13因子欠 乏症なのですが・・・・私自身は身体に何の異常もない為、検査等をしておりませ ん。 母の病気の事は知っているし、もし外傷性出血をした時にはどう対処するべきかは 自分でもわかっているつもりです。 ただ不安なんです・・・・どうすればいいのでしょうか? |
2143 | Re:先天性13因子欠乏症とは・・・ | 高田 昇 E-mail URL | 2005/3/23 03:08 |
記事番号2091へのコメント 圭一さん 血液の凝固反応の最終段階は、フィブリノーゲンという液状の凝固因子が トロンビンによってフィブリンというゲル状(電子顕微鏡で見ると線維状) に変わる反応です。まさに流れる状態が、寒天のようになります。 できたてのフィブリンは、まだモロいです。線維と線維のあいだに橋をか けて壊れにくくする、、、これがフィブリンの安定化です。橋をかける酵 素が第XIII因子です。正常域は72〜144%です。ほとんどゼロのレベルだと 橋がかかっていないモロいフィブリンであるため、遅れた出血が起こって しまい、ちょっと血友病に似ています。でも50%もあれば、まったく無症状 です。 http://www.toamedical.co.jp/cd/rinsyou/demo/chapter06.html 治療薬はヒトの胎盤から抽出した生物製剤で、凝固因子製剤として分類 され、フィブロガミンPという商品名で販売されています。会社名は、 ヘキスト→アベンティス→ZLBベーリングと変わりました。 http://www.e-pharma.jp/allHtml/6343/6343431D1024.htm 第XIII因子は常染色体劣性遺伝とされています。つまりお父さんと、お母 さんの両方から受け継ぎます。ですから保因者は50%ぐらいで、症状はあ りません。出血で悩まされる患者さんは、保因者であるお父さんとお母さ んから病気の遺伝子をもらったもの。ほとんど0%あたりです。もちろん 幅もあるでしょうが。 患者さんから生まれた子供は、全員保因者になります。無症状です。保因 者どうしで子供ができれば、半分が保因者、4分の1が患者になる計算で すね。日本全国で数十人の患者数ですから、保因者同士が子供を作ること になる確率は、相当低いでしょう。 ということで、圭一さんのお母様が間違いなく患者であれば、圭一さんは 間違いなく保因者です。そして外傷で第XIII因子の注射が必要になる事態 はほとんどないと思います。以上、手元に参考書がない状態で書きました。 間違っていたら、訂正をこの後に書きますね。 広島大学病院 血液内科・輸血部 高田 昇 |