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血友病に関して

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-血友病遺伝子に関して質問-れい(2/18-19:44)No.157
 ┗Re:血友病遺伝子に関して質問-渡辺(2/25-01:15)No.160
  ┣Re:血友病遺伝子に関して質問-阿部(2/25-01:33)No.161
  ┃┗Re:血友病遺伝子に関して質問-のりこ(2/25-21:57)No.162
  ┗Re:血友病遺伝子に関して質問-質問者 れい(3/23-17:38)No.184


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157血友病遺伝子に関して質問れい 2000/2/18 19:44

「血友病とは?」をよんで血友病が伴性劣性遺伝病、つまり血友病の原因とな
る異常のある血液凝固因子がX染色体上にあることはわかりましたが、ある生
物の参考書にて血友病遺伝子が致死遺伝子であるといッた事を見たのですが、
その真偽について誰か知っている方いらっしゃいませんか?

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160Re:血友病遺伝子に関して質問渡辺 E-mail 2000/2/25 01:15
記事番号157へのコメント
れいさんは No.157「血友病遺伝子に関して質問」で書きました。
>「血友病とは?」をよんで血友病が伴性劣性遺伝病、つまり血友病の原因とな
>る異常のある血液凝固因子がX染色体上にあることはわかりましたが、ある生
>物の参考書にて血友病遺伝子が致死遺伝子であるといッた事を見たのですが、
>その真偽について誰か知っている方いらっしゃいませんか?

血友病Aの患者です。この病気のせい(おかげ)か現在医学研究科でDNAやタンパク質
の研究をしております。

御質問の致死遺伝子に関してですが、血友病の患者が短命であるということではあり
ません。お調べのとおり、血友病の原因遺伝子はX染色体の極一部に問題がありま
す。

この染色体はY染色体とともに性染色体とも呼ばれ、性別(男か女)を区別します。
父親からY染色体、母親からX染色体を受け継いだ子供はXYで男になります。また父親
からX染色体、母親からX染色体を受け継いだ子供はXXで女になります。

ここで血友病の原因遺伝子を持っているX染色体をX'とし、正常な遺伝子を持ってい
るX染色体をXとします。そうすると血友病患者の男性の遺伝子の型はX'Yとなりま
す。
この場合は父親からYを母親からX'を受け継ぐしかありません(突然変異での発病は
除きます)。

この時の母親の遺伝子型はXX'ですが、片方の正常なX遺伝子が働き血友病という症状
はありませんが、子供に病気の遺伝子が遺伝するので保因者と呼ばれます。

それでは父親が血友病でX'Yであり、母親が保因者X'Xの場合、子供の遺伝子の型は4
種類あります。XY(男:正常)とX'Y(男:血友病)、X'X(女:保因者)と
X'X'(女:
致死)の4パターンです。

つまり2つとも血友病の原因遺伝子をもつケースのみ出産前もしくは学童期までに死
亡してしまいます(通常は流産です)。2つそろってしまうと死に到(いた)る遺伝
子の事を致死遺伝子と呼び、血友病の原因遺伝子も幾つかある致死遺伝子の1つにあ
たります。

ということは、世の中には血友病をもった女性は存在しないことになります。X'染色
体をもつ女性は保因者か致死の2つのパターンしかないからです。ですから血友病患
者は男しかいません(幾つか例外は存在しますが)。

ですから父親が血友病でなければ、今後自分の子供に対して致死遺伝子で悩むことは
ありません。しかし、血友病をもつ子供が成人して、結婚し父親になる時に問題が発
生する可能性があるかもしれません。相手が保因者であれば上記のケースが生じるか
もしれません(確率は非常に低いですが)。

現在の医療技術では95%以上の確率で男女の産み分けが可能です。産婦人科学会の厳
しい規定でも血友病患者に関しては適用可能なはずです。

また、厳しい話になるかもしれませんが、遺伝病を発症する可能性があるということ
で、血友病患者あるいは保因者は優生保護法と言う法律で中絶が認められます。

病気の重大さも含めて色々な問題が存在しますが、現在、血友病は遺伝子治療と言う
最新の医学研究の中でも重大なテーマとして取り組まれています。動物実験では幾つ
か良い結果も報告されております。ですからお子さんが成人する頃には、治療可能な
病気になり、深刻に遺伝の事を考える必要がなくなる事が予想されるとともに、早い
確立を切望しております。

専門的な回答になり難解であったと思います。また御不明な点は連絡ください。私で
分かる事でしたらお知らせいたします。


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161Re:血友病遺伝子に関して質問阿部 E-mail 2000/2/25 01:33
記事番号160へのコメント
阿部(Webmaster)です。

渡辺さんの書き込みは、私による代理投稿です。
渡辺さんはご自身の書き込みに対して、

 病気に対して専門的な知識のない方が、いきなりこれを読んだ場合、
 病気の原因が母親にあるかもしれないと思い、ショックを受けるの
 ではないか。

と、気遣いをなされ投稿を私に預けて下さいました。
病気に関しては、できるだけ多くの正確な知識を持つべきだと思い、転載させて
いただきました。

以前にもこの掲示板で、何人かのお母様から同様の悩み(私の妻もですが)として
話題に上っておりますが、その度に勇気づけられる書き込みがありました。
私はこのホームページに来てくれているお母様たちは、大きなショックを受けるほど、
もうそれほど弱くはないと信じたいです。

----------------------------------
阿部晋樹 abeshin@mtj.biglobe.ne.jp

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162Re:血友病遺伝子に関して質問のりこ 2000/2/25 21:57
記事番号161へのコメント
阿部さんは No.161「Re:血友病遺伝子に関して質問」で書きました。
>阿部(Webmaster)です。
>
>渡辺さんの書き込みは、私による代理投稿です。
>渡辺さんはご自身の書き込みに対して、
>
> 病気に対して専門的な知識のない方が、いきなりこれを読んだ場合、
> 病気の原因が母親にあるかもしれないと思い、ショックを受けるの
> ではないか。
>
>と、気遣いをなされ投稿を私に預けて下さいました。
>病気に関しては、できるだけ多くの正確な知識を持つべきだと思い、転載させて
>いただきました。
>
>以前にもこの掲示板で、何人かのお母様から同様の悩み(私の妻もですが)として
>話題に上っておりますが、その度に勇気づけられる書き込みがありました。
>私はこのホームページに来てくれているお母様たちは、大きなショックを受けるほど、
>もうそれほど弱くはないと信じたいです。
>
>----------------------------------
>阿部晋樹 abeshin@mtj.biglobe.ne.jp
渡辺さん 阿部さんありがとうございます。阿部さんのおっしゃる通り
今の私は、ショックを受けるような状態を 通り越しています。(子供ももうすぐ10歳!)
内容も分かりやすく 今まで得た知識の再確認をすることができ
よかったです。そして、後半の将来的な遺伝子治療に期待できるかも・・・
と言うところが 「やっぱりそうですよね!」なんてすごくうれしくなりました。
また いろいろ教えてください。

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184Re:血友病遺伝子に関して質問質問者 れい 2000/3/23 17:38
記事番号160へのコメント
渡辺さんは No.160「Re:血友病遺伝子に関して質問」で書きました。
>れいさんは No.157「血友病遺伝子に関して質問」で書きました。
>>「血友病とは?」をよんで血友病が伴性劣性遺伝病、つまり血友病の原因とな
>>る異常のある血液凝固因子がX染色体上にあることはわかりましたが、ある生
>>物の参考書にて血友病遺伝子が致死遺伝子であるといッた事を見たのですが、
>>その真偽について誰か知っている方いらっしゃいませんか?
>
>血友病Aの患者です。この病気のせい(おかげ)か現在医学研究科でDNAやタンパク質
>の研究をしております。
>
>御質問の致死遺伝子に関してですが、血友病の患者が短命であるということではあり
>ません。お調べのとおり、血友病の原因遺伝子はX染色体の極一部に問題がありま
>す。
>
>この染色体はY染色体とともに性染色体とも呼ばれ、性別(男か女)を区別します。
>父親からY染色体、母親からX染色体を受け継いだ子供はXYで男になります。また父親
>からX染色体、母親からX染色体を受け継いだ子供はXXで女になります。
>
>ここで血友病の原因遺伝子を持っているX染色体をX'とし、正常な遺伝子を持ってい
>るX染色体をXとします。そうすると血友病患者の男性の遺伝子の型はX'Yとなりま
>す。
>この場合は父親からYを母親からX'を受け継ぐしかありません(突然変異での発病は
>除きます)。
>
>この時の母親の遺伝子型はXX'ですが、片方の正常なX遺伝子が働き血友病という症状
>はありませんが、子供に病気の遺伝子が遺伝するので保因者と呼ばれます。
>
>それでは父親が血友病でX'Yであり、母親が保因者X'Xの場合、子供の遺伝子の型は4
>種類あります。XY(男:正常)とX'Y(男:血友病)、X'X(女:保因者)と
>X'X'(女:
>致死)の4パターンです。
>
>つまり2つとも血友病の原因遺伝子をもつケースのみ出産前もしくは学童期までに死
>亡してしまいます(通常は流産です)。2つそろってしまうと死に到(いた)る遺伝
>子の事を致死遺伝子と呼び、血友病の原因遺伝子も幾つかある致死遺伝子の1つにあ
>たります。
>
>ということは、世の中には血友病をもった女性は存在しないことになります。X'染色
>体をもつ女性は保因者か致死の2つのパターンしかないからです。ですから血友病患
>者は男しかいません(幾つか例外は存在しますが)。
>
>ですから父親が血友病でなければ、今後自分の子供に対して致死遺伝子で悩むことは
>ありません。しかし、血友病をもつ子供が成人して、結婚し父親になる時に問題が発
>生する可能性があるかもしれません。相手が保因者であれば上記のケースが生じるか
>もしれません(確率は非常に低いですが)。
>
>現在の医療技術では95%以上の確率で男女の産み分けが可能です。産婦人科学会の厳
>しい規定でも血友病患者に関しては適用可能なはずです。
>
>また、厳しい話になるかもしれませんが、遺伝病を発症する可能性があるということ
>で、血友病患者あるいは保因者は優生保護法と言う法律で中絶が認められます。
>
>病気の重大さも含めて色々な問題が存在しますが、現在、血友病は遺伝子治療と言う
>最新の医学研究の中でも重大なテーマとして取り組まれています。動物実験では幾つ
>か良い結果も報告されております。ですからお子さんが成人する頃には、治療可能な
>病気になり、深刻に遺伝の事を考える必要がなくなる事が予想されるとともに、早い
>確立を切望しております。
>
>専門的な回答になり難解であったと思います。また御不明な点は連絡ください。私で
>分かる事でしたらお知らせいたします。
>
>

れい です。
私の不躾な質問に対し、このような詳しい話を教えて下さり有り難うございます。