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血友病に関して
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元記事
4102 Re:やっぱりトランサミンかな>Re:舌を噛んで出血止まらない 高田 昇
私はすでに10年以上血友病診療や止血領域から離れており「高名」とは思いません。

■ ヘモフィリアステーションに抗線溶剤の記載がありますが、用量は記されていません。
<口腔内出血>
https://www.hemophilia-st.jp/about/baby/04.html

■ 抗線溶剤であるトランサミン(トラネキサム酸の商品名)の用法用量(1日量750〜2000mg)では、口腔内出血には効かないかもしれません。唾液中の濃度はわかりません。内服で血中濃度のピークは2-3時間、半減期は3.3時間、静注では半減期2時間だそうです。内服と静注ではピーク濃度は10倍違います。
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/430574_3327002B1027_2_05

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/3327401A1

■ 一方、「トラネキサム酸シロップ5%」という製剤があり、局所では十分な濃度が得られますし、血中に過剰に吸収されないので、使用法は簡単、安全性は保たれると思います。口腔内出血のコントロールは、私は半日か1日の使用期間で十分と思います。局所で丈夫なフィブリン(=クロスリンクした)ができるまでの時間かせぎ。

■ 思い出したのですが、20年ぐらい前、舌を噛んで第VIII因子製剤でもダラダラと出血が続いた患者が来院しました。カップの中でトランサミン注射液を生理的食塩水に溶解し、ボスミン(濃度は忘れました)を加え、浸したガーゼで舌をジーッと1時間ぐらい私が押さえて止血したことがあります。ボスミンはアドレナリンで、鼻出血では使用することがあります。

■ 文献検索では、血友病の口腔内出血でのトラネキサム酸のあり/なしで効果を比較した臨床試験は見あたりませんでした。
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原題:Outpatient minor oral surgery in patients with hemophilia: A case series of 23 patients
著者:Emilio A. Ramos and others.
出典:J Clin Exp Dent. 2019 Apr; 11(4): e395–e399. doi: 10.4317/jced.55506
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この論文は、23人の血友病患者の112本の外来抜歯手術で、凝固因子製剤にトラネキサム酸を1g静注で併用して、1例の術後軽度の出血があった以外、結果は満足すべきものだったと経験を述べています。経験発表なのでエビデンスレベルは低いです。

トランサミンは副作用はほとんどないし、安いし、舌出血の止血は効果があるかどうかわかりやすいと思います。この話は、主治医の先生にお見せいただいても良いと思います。

高田 昇


やっぱりトランサミンかな>Re:舌を噛んで出血止まらない へのコメント

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