タイトル: トランサミンをお勧め>Re:舌を噛んで出血止まらない
投稿者 : 高田 昇<noborutakata@gmail.com>
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登録時間:2021年6月11日16時07分
本文:
昔、治療の経験がある医師です。
出血を止める=凝固を作るのは第VIII因子、凝固を溶かす=プラスミンという線溶因子です。
口腔内には唾液があり、線溶活性と言って固まった血液がガチガチにならないよう、フィブリンを溶解する働きが強いです。
もう一つ、舌は安静が保てない臓器です。このため、舌の中でできたフィブリンが丈夫なフィブリンになる前に溶けてしまうのです。
このように出血が起こった局所によっては、線溶活性を抑える薬、つまり「トランサミン」を併用するのが良いと思いますし、経験してきました。
トランサミンは500mgのカプセルなら1回1カプセルを4回から6回。1000mgの注射なら1日に3-4回の注射が良いでしょう。主治医と相談してください。
さて逆の話。同じように線溶活性が高いのは腎臓です。腎出血(オシッコが真っ赤)でトランサミンを使うと尿路が詰まってしまうので、やってはいけません。
第VIII因子だけで口の中の止血しようと言うのは、最初から戦略が違っていると思います。
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