-自然気胸にご用心!!-レインボー(2/8-16:06)No.1428 ┣Re:自然気胸にご用心!!-秋本(2/16-20:00)No.1440 ┗Re:自然気胸にご用心!!(訂正)-レインボー(2/17-11:05)No.1441 ┗いい体験話を聞かせて下さいましたね-高田 昇(2/27-15:55)No.1442
1428 | 自然気胸にご用心!! | レインボー | 2004/2/8 16:06 |
関節や筋肉だけではなく、内臓の出血の場合は命取りにもなりかねません ので私の体験を書かせてもらいます。私は3年前に右肺の自然気胸という肺 に小嚢胞が出来てそれが破裂し肺がしぼみ呼吸困難になる病気(焼けた餅が 膨らみそれに穴が開いてしぼむ様子を想像していただければ分かると思いま す。)にかかり手術をしました。そのときはたいした出血もせずに治りまし た。しかし、去年今度は左肺のちょうど血管のところに小嚢胞ができてそれ が破裂し大量出血し(バケツ1杯くらい)血圧は下がってショック状態にな るわ脈は止まりそうになるわでもう少しで死にかけました。そのときは即病 院に行って凝固因子が100%以上になるように製剤を投与してもらい緊急 入院、緊急手術して一命をとりとめました。そのときは家で製剤を投与しな かったため後で主治医に怒られましたが・・・。 皆さんにも注意してもらうため医学書に載っていることや私の体験談で自 然気胸の症状となりやすい人を記しますので参考にしてください。 原因:不明(外傷性気胸の場合は折れた肋骨が肺に突き刺さって起こります がこれはいつなるのかどうしたらなるのか分からないため注意のしようがあ りません) 初期症状:@針で刺されたような突然の胸痛や背中の痛みの後空咳が出る。 そのほか深呼吸すると胸や背中がぽこぽこという音が出る(この症状はまれ でほとんど気づかない) 症状が進行すると:ひどい空咳、呼吸困難(歩くこともままならない) なりやすい人:やせている人(胸板の薄い人)若年層に多いと書いてありま すが関係ないような気がします。 処置:軽度の場合は安静にして自然治癒を待つ(再発率高い)。中度の場合 は肺を包んでいる胸膜にドレナージチューブを刺して圧を正常にして自然治 癒を待つ(再発率高い)。重度の場合は胸に3ヶ所ほど穴を開けてそこから 腹腔鏡を入れての手術(小嚢胞を切り取るか特殊な接着剤を付けて完全に穴 を塞ぐため再発率低い10%以下) 今回の教訓は何かあったらとにかく多めの製剤投与し凝固因子が50%以上 になるようにする。ということが身にしみて分かりました。とにかく手術す るにしても血友病専門の先生にしっかり凝固管理してもらえば手術できます ので安心して下さい。では皆さんお体に気をつけて。 |
1440 | Re:自然気胸にご用心!! | 秋本 | 2004/2/16 20:00 |
記事番号1428へのコメント レインボーさん、はじめまして。 これは貴重な情報提供、有難うございます。 脳内出血や首周り(気管が圧迫されると、寝てる間に窒息死)、腸陽筋の出血 とか黒い便が出た時には要注意ってのは知ってますが、自然気胸ってのは初め て聞きました。 初期症状、覚えておきます。 レインボーさんは No.1428「自然気胸にご用心!!」で書きました。 > 関節や筋肉だけではなく、内臓の出血の場合は命取りにもなりかねません >ので私の体験を書かせてもらいます。私は3年前に右肺の自然気胸という肺 >に小嚢胞が出来てそれが破裂し肺がしぼみ呼吸困難になる病気(焼けた餅が >膨らみそれに穴が開いてしぼむ様子を想像していただければ分かると思いま >す。)にかかり手術をしました。そのときはたいした出血もせずに治りまし >た。しかし、去年今度は左肺のちょうど血管のところに小嚢胞ができてそれ >が破裂し大量出血し(バケツ1杯くらい)血圧は下がってショック状態にな >るわ脈は止まりそうになるわでもう少しで死にかけました。そのときは即病 >院に行って凝固因子が100%以上になるように製剤を投与してもらい緊急 >入院、緊急手術して一命をとりとめました。そのときは家で製剤を投与しな >かったため後で主治医に怒られましたが・・・。 > 皆さんにも注意してもらうため医学書に載っていることや私の体験談で自 >然気胸の症状となりやすい人を記しますので参考にしてください。 >原因:不明(外傷性気胸の場合は折れた肋骨が肺に突き刺さって起こります >がこれはいつなるのかどうしたらなるのか分からないため注意のしようがあ >りません) >初期症状:@針で刺されたような突然の胸痛や背中の痛みの後空咳が出る。 >そのほか深呼吸すると胸や背中がぽこぽこという音が出る(この症状はまれ >でほとんど気づかない) >症状が進行すると:ひどい空咳、呼吸困難(歩くこともままならない) >なりやすい人:やせている人(胸板の薄い人)若年層に多いと書いてありま >すが関係ないような気がします。 >処置:軽度の場合は安静にして自然治癒を待つ(再発率高い)。中度の場合 >は肺を包んでいる胸膜にドレナージチューブを刺して圧を正常にして自然治 >癒を待つ(再発率高い)。重度の場合は胸に3ヶ所ほど穴を開けてそこから >腹腔鏡を入れての手術(小嚢胞を切り取るか特殊な接着剤を付けて完全に穴 >を塞ぐため再発率低い10%以下) >今回の教訓は何かあったらとにかく多めの製剤投与し凝固因子が50%以上 >になるようにする。ということが身にしみて分かりました。とにかく手術す >るにしても血友病専門の先生にしっかり凝固管理してもらえば手術できます >ので安心して下さい。では皆さんお体に気をつけて。 > |
1441 | Re:自然気胸にご用心!!(訂正) | レインボー | 2004/2/17 11:05 |
記事番号1428へのコメント 関節や筋肉だけではなく、内臓の出血の場合は命取りにもなりかねません ので私の体験を書かせてもらいます。私は3年前に右肺の自然気胸という肺 に小嚢胞が出来てそれが破裂し肺がしぼみ呼吸困難になる病気(焼けた餅が 膨らみそれに穴が開いてしぼむ様子を想像していただければ分かると思いま す。)にかかり手術をしました。そのときはたいした出血もせずに治りまし た。しかし、去年今度は左肺のちょうど血管のところに小嚢胞ができてそれ が破裂し大量出血し(バケツ1杯くらい)血圧は下がってショック状態にな るわ脈は止まりそうになるわでもう少しで死にかけました。そのときは即病 院に行って凝固因子が100%以上になるように製剤を投与してもらい緊急 入院、緊急手術して一命をとりとめました。そのときは家で製剤を投与しな かったため後で主治医に怒られましたが・・・。 皆さんにも注意してもらうため医学書に載っていることや私の体験談で自 然気胸の症状となりやすい人を記しますので参考にしてください。 原因:不明(外傷性気胸の場合は折れた肋骨が肺に突き刺さって起こります がこれはいつなるのかどうしたらなるのか分からないため注意のしようがあ りません) 初期症状:@針で刺されたような突然の胸痛や背中の痛みの後空咳が出る。 そのほか深呼吸すると胸や背中がぽこぽこという音が出る(この症状はまれ でほとんど気づかない) 症状が進行すると:ひどい空咳、呼吸困難(歩くこともままならない) なりやすい人:やせている人(胸板の薄い人)はなりやすい。 若年層に多いと書いてありますがこれは関係ないような気がします。 処置:軽度の場合は安静にして自然治癒を待つ(再発率高い)。中度の場合 は肺を包んでいる胸膜にドレナージチューブを刺して圧を正常にして自然治 癒を待つ(再発率高い)。重度の場合は胸に3ヶ所ほど穴を開けてそこから 腹腔鏡を入れての手術(小嚢胞を切り取るか特殊な接着剤を付けて完全に穴 を塞ぐため再発率低い10%以下) 今回の教訓は何かあったらとにかく多めの製剤投与し凝固因子が50%以上 になるようにする。ということが身にしみて分かりました。とにかく手術す るにしても血友病専門の先生にしっかり凝固管理してもらえば手術できます ので安心して下さい。では皆さんお体に気をつけて。 |
1442 | いい体験話を聞かせて下さいましたね | 高田 昇 E-mail URL | 2004/2/27 15:55 |
記事番号1441へのコメント レインボーさん大変でしたね。 自然気胸は一般の大学生が入院を必要とする病気のトップ3番にいつも入る ぐらい、ありふれた病気です。 私はこれまで血友病の気胸を2例経験しました。血友病以外の人に起こる気 胸と少し違うところは、血友病の場合「血胸」を伴うことです。つまり風船 (=肺)が破れて風船の外側(=胸腔)に空気がたまったのを気胸といいます が、同時に血液もたまります。血友病以外の人も出血をするのですが、止ま るまでの時間がなんとかなれば、大量出血にならないのです。 ちゃんと患者さんを診ていたら若い先生でもきちんと診断できます。貧血の 進み具合や、血圧などのサイン、そして肺のレントゲンを見れば、「止まっ たかな」とわかります。止まったと自信が得られるまでは、ちょっとドキド キします。輸血が必要になることもあります。 気胸で手術が必要なのは、繰り返すものですね。きっと弱い風船の箇所があ るのでしょう。普通は不要です。 胸腔や腹腔は圧力が低い場所なので、出血を圧力で止めることは難しく、ダ ラダラと出続けて、結局大量出血になります。 私たちのサイトのテキスト「血友病診療の実際2002」に、入院が必要な・・・・ が書いてあります。その中に、「腹腔・胸腔・気道・消化管出血」がありま す。この機会に、「こんなこともあるんだ」と皆さんの教訓にしましょう。 http://www.aids-chushi.or.jp/c7/2002/ch3.html 「主治医に叱られた」のは、きっと主治医も肝を冷やしたんだろうと思いま す。気持ちがよくわかります。 貴重な体験のご報告、ありがとうございました。 広島大学病院 血液内科/輸血部 高田 昇 |