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-とある文献を読んでの感想-西村聡文(2020/9/6 18:55)No.2326
 ┗死亡例の詳細-西村聡文(2020/9/26 21:17)No.2328


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2326とある文献を読んでの感想西村聡文 2020/9/6 18:55

アディノベイトの長期使用の安全性と有用性を検証した文献を読みました。

Long‐term safety and efficacy results from the phase 3b, open‐label,
multicentre Continuation study of rurioctocog alfa pegol for
prophylaxis in previously treated patients with severe haemophilia A

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/hae.14052

めちゃ要約すると、アディノベイトを216人に長期使用してもよく効いて、副
作用もほとんどなかった、ということなのです。


その中で私が気になった点は、治療方法をいくつかの患者群に分けているなか
に、 FVIII trough levels 3% and peak levels 200%、と、ピークを200%まで
許容している所です。

ピークがどれくらいまでが安全なのかは、私の知る限りでは定説はないのです
が、貴重な実験結果だと思います(実際どれくらいの人数が200%近くまで上げ
ているのか不明なのですが、、、)。


それともう一点、死亡が一人。

15歳の患者が脳内出血で死亡しているが、週2回投与群で、最後の予防投与3日
後に脳内出血していることから、アディノベイトの副作用では無いと判定され
ている。

うーん、確かに、副作用では無いとの判定に意義はありませんけど、けど、脳
内出血を防げなかったということで、週2回投与のプロトコルそのものの効果
が否定されているのではないでしょうか。


以上、西村的文献の読み方でした。

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2328死亡例の詳細西村聡文 2020/9/26 21:17
記事番号2326へのコメント
もっと詳しく、といっても、私にはこの文献の情報しかわかりません。

 
原文は私のパソコンで印刷すると11ページあるうちのたった16行、5章のうち
3.5safty部分に書かれています。

週2回投与群の15歳の患者が、最後の予防投与3日後(アディノベイト投与通算271日
目)に脳内出血し、緊急手術(アドベイト使用)を受けたものの発症3日後に死亡。
インヒビターや中和抗体は検出されなかった。
死亡前の出血イベントは、軽度の自然関節出血、軽度の外傷性筋出血、中程度の外
傷性関節出血がそれぞれ1回だけで、その3回ともアディノベイトは「よく効いた」
との判定だった。


原文コピーしますと
One fatal SAE occurred in a 15‐year‐old patient who had transitioned
from the phase 2/3 pivotal study11 to Continuation. He continued twice‐
weekly rurioctocog alfa pegol prophylaxis for a total of 271 exposure
days. This patient experienced an intracerebral haemorrhage that was
attributed to his haemophilia and assessed as unrelated to rurioctocog
alfa pegol treatment, as it occurred 3 days after his last prophylactic
infusion. The patient was treated with antihemophilic factor (recombinant)
(ADVATE®; Baxalta US Inc, a Takeda company, Lexington, MA, USA) in the
hospital for emergent extracranial ventricular drainage surgery but died 3
days after the bleeding event. During this patient's study participation,
no other AEs or inhibitory or binding antibodies were reported. Bleeding
episodes in this patient treated with rurioctocog alfa pegol included one
mild spontaneous joint bleed, one mild injury‐related muscle bleed and
one moderate injury‐related joint bleed; haemostatic efficacy was rated
‘excellent’ for all three bleeding episodes.

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